お葬式に呼べる人数が少ない場合
小人数葬儀のさまざまなカタチ
葬儀にお呼びできる人数が少ない場合は、ご遺族がどのような葬儀を望んでいるか、によっていくつかのスタイルを選択できます。
ここでは、あえて葬儀の「場所」に特化して、費用順に見ていきましょう。
会館での家族葬
1つは、小規模な会館で家族葬を執り行うことです。あるいは一日葬という選択肢もあるでしょう。
祭壇や棺など、どれくらいのものを選ぶかはご遺族の判断に委ねられます。少人数でも華やかな祭壇や棺を選ばれる方もいらっしゃいますし、本当に質素な飾りつけでされる方もいらっしゃいます。
自宅での小規模葬
次に、自宅で葬儀を執り行うというスタイルではどうでしょうか。
昔のような大掛かりな自宅葬ではなく、ご遺体を自宅に安置して、そこから出棺するというスタイルです。
ご寺院様をお招きするのであれば、通夜と葬儀の読経に来ていただき、あとは住み慣れた家で家族と故人が最期の時間を過ごします。
出棺の際には、霊柩車をご自宅まで配車するのですが、火葬場の予約時間から逆算して伺います。
家の中の掃除や整理整頓など、多少手間のかかることはあるかもしれませんが、自宅だからこそ可能な「最期のひととき」を設けることができるかもしれません。
また、費用も会館を借りるよりは安く済むというメリットもあります。
火葬場での火葬式(直葬)
最後に火葬式(直葬)スタイルです。
少人数で、かつ費用をかけずにということであれば火葬式という選択肢が究極でしょう。
通夜や葬儀という儀式を執り行わずに、親族が火葬に立ち会うというスタイルです。
葬儀スタイルは参列者の数ではなくご遺族のお気持ちで
会葬者の人数が少ないと、必然的におもてなし費用(料理や返礼品)は軽減されますが、葬儀全体まで簡素にしなければならないということはありません。
「見送る人が少ないから簡素でいい」
このように考える方はたしかに多く、お気持ちは充分に理解できます。
しかし。「少人数=低予算で合理的な葬儀」という図式に、安易にはめ込めないでほしいというのが、専門家としての私たちからのご提案です。
というのも、一度葬儀を執り行ってしまうと、後悔してもやり直すことができないからです。
「なんだかお葬式ってあっさり終わってしまったね」
このように言われた喪主様もいらっしゃいました。
でも、このようなお葬式を望まれたのは喪主様ご自身ですから、その後悔のやり場がない。
そんなお姿を見ていてこちらも辛い気持ちになってしまったものです。
少人数の家族葬でも、故人様のために何かできることはないかと考えるご遺族もたくさんいらっしゃいます。
花祭壇のデザインをものすごくこだわられた方。
故人様をお納めするお棺を高価で上質なものに選ばれた方。
祭壇や棺は簡素なものにされましたが、湯灌やメイクにお金を掛けられた方。
まさに、故人様をどうお見送りするか、という葬儀への考え方次第で、葬儀にかける費用はいかようにもなるわけです。
もちろん、お金をかけた方いい葬儀ができるというものではありません。
参列者の人数が、そのまま金額に反映されるわけでもありません。
人数が少なくても、また費用を抑えても、手厚いお葬式をすることはできます。
費用を節約しつつ、ある一点だけにお金をかけるという方法もあります。
少ない人数だからこそ、しっかりと故人様を送り出したいものです。