菩提寺が遠方の場合、どうしたらよいですか?
この場合、2つのニュアンスがあります。
菩提寺が遠方の場合、どうしたらよいか。
これには2つのニュアンスがあります。
〇菩提寺(先祖代々を供養してくれるお寺)が遠方で、わざわざ来てもらうのが申し訳ない。
〇遠方でも、ぜひ来ていただきたい。
東京など関東地方には地方出身者の方も多いので、菩提寺が遠方にあるというケースはとても多いものです。
どうしてもお困りの場合は、私たち葬儀の醍醐でもご寺院様を紹介させていただくことはよくあります。
葬儀社による寺院の紹介は悪いことではありません。
ですが、私たちがいつもお客様に申し上げるのは、物事には順序というものがありますし、それは乱すべきではないでしょう。
菩提寺様に古いご先祖様の供養をしていただいているのならなおさらです。
遠方の菩提寺への対応の仕方
それででは、遠方に菩提寺様がある場合の対応の仕方をご紹介します。
1.まずは不幸を菩提寺に連絡する
まずは菩提寺様に連絡して、相談しましょう。
すると、次のような答えが返って来るでしょう。
①「私が伺います」
②「そちらにお住いの私の知り合いのお寺様を紹介します」
③「戒名は私が授けますので、お葬式には同じ宗派の寺院を葬儀社に紹介してもらってください」
ちなみに、檀家に「来てほしい」と言われると、大抵の寺院は日程を調整してでも駆けつけてくれるでしょう。
ただその際は、交通費や宿泊する宿を手配しておくのが礼儀です。
私たちの経験でも遠方から菩提寺様が来られるケースは多々あり、和歌山県や九州のご寺院様でも、東京まで駆けつけられました。
「遠いから迷惑だ」と、考えるのはご遺族側の一方的な都合です。
まずはご連絡を差しあげて、こちらの意向をお伝えしましょう。
菩提寺をないがしろにしてはいけません。
菩提寺をないがしろにしてはいけません。
先祖代々の供養をしていただいていますし、仮にお寺にお墓がある場合は、他の寺院に戒名を授かったりすると、納骨を受け入れてくれないケースもあります。
ですから、来ていただくにせよ、お断りしたいにせよ、まずは一報を入れましょう。
菩提寺と檀家の関係とは、お花やお茶でいうところの師匠と弟子と同じような間柄です。
他の師匠に名を授かった弟子を、本来の師匠は受け入れるしょうか。
こうした封建制のような慣習を時代遅れと軽んじる方もいますが、これまでのご先祖様がいて自分がいるのですから、そのご先祖様を守っていただいていたご寺院様への感謝の想いは、忘れないほうがいいでしょう。
どうしても近くの寺院にお願いしたい場合
それでも菩提寺ではなく近くのご寺院様にお願いしたいというのであれば、菩提寺に身内の不幸を知らせなければよいだけです。
ただ、先述したように、もしも菩提寺の境内にご先祖様のお墓がある場合は埋葬を受け付けてくれない場合もあります。
充分に気をつけましょう。
都市に住む子孫と、地方の土地に眠る先祖と寺院。
このような問題は、どちらがいいか悪いかではなく、時代の移り変わりと社会構造の変化が生みだしたものといえるかもしれません。