親戚が先に葬儀社を決めてしまった場合、断ってもよいのでしょうか?
断るのはもちろん構いません。
しかし、少し複雑で難しい問題を含んでいるので、細かく見てみましょう。
喪主と施主
まずはじめに、「喪主」と「施主」の違いをご存知ですか?
「喪主」は、祭祀継承者、つまり跡取りのことです。
その家の先祖供養の中心となる人のことです。
「施主」とは、費用を捻出して葬儀を執り仕切る人のことです。
最近は「喪主=施主」が一般的なので、これらを分けて考えることないでしょうが、ひと昔までは「施主」という言葉もよく使われていました。
親戚の本家が施主を務めるようなこともあったようです。
あるいは、親が施主で、子が喪主というケースもあったようです。
契約の主体は、誰?
さて、このたびの例では、「親戚が先に葬儀社を決めてしまった」ということです。
もし、親戚が施主であり、葬儀の費用を出すのがその親戚であるならば、「葬儀社を替えたい」とその親戚を説得しなければなりません。
もしも、費用は喪主が出すのに、葬儀社の手配だけを親戚が決めてしまったのであれば、その葬儀社にお詫びを言ったうえで断りましょう。
そもそも、この場合は契約の主体は喪主ですから、親戚が勝手に葬儀社を決めることなどできませんし、契約書のやりとりがないために契約自体が成立していません。
仮に、親戚が勝手に契約書にサインをしていたならば、それは葬儀社と親戚間の契約になるので、関わらなければよいでしょう。
葬儀はクーリング・オフができない
ちなみに、互助会契約はクーリングオフできますが、葬儀の契約はクーリングオフできないので気をつけましょう。
契約の前には必ず見積書を精査しましょう。
死亡後にそのような余裕がないのであれば、元気なうちに葬儀社をまわることをお勧めします。